20190529 家族はいいものだという呪い

先々週に高岡で結婚式を挙げた友人とは酒飲み仲間で、酒を飲むと人間は要らんことまでペラペラと喋ってしまう生き物なのだが、この友人ともいろんな話をした。で、我々の友情を深めたのが「親の愛情が兄弟と比べて与えられなかったと感じている」という共通点なのであった。

文字にしてしまうと大仰なのだが、これは特別なことではなくて、兄弟がいるひと、とりわけ同性の兄弟姉妹がいるひとなら割と感じたことがあるんじゃないかな、と思う。また、もちろん私も友人も愛情を全く得られなかったわけではなくむしろ十分に愛されて育ってきたことは述べておかなければならない。しかしふとした瞬間に、「あ、お父さん(お母さん)は自分よりお兄ちゃん(お姉ちゃん、妹、弟)の方がかわいいんだな」と思ったことが、なんだか後々に(大人になった今でも)気持ちを暗くさせるということは度々あるのだった。

そういう話をこの友人とはときどきしていて、そのおかげでああいう暗い感情は特別なことではないし、親だって人間なんだな、と考えることで「家族信仰」みたいな呪いから解放されたと思っていて、私はとても感謝している。

家族信仰に苦しんでいるひとには親なんてラララだぜ、と言ってあげたいと思う。

 

というわけで、この友人が自立し新しい家族をつくったことは本当に喜ばしい。次に会ったときには「みじめな思いをした子ども」の視点ではなく、家族を作っていく親の視点で話ができると思う。そのときに私はようやく「家族っていいもんだな」と胸を張って言えると思う。