20210910 人間がたくさんいる

子どもたちの昼寝の時間が安定してきた。

子①は12時から14時くらいまで眠る。

子②は10時から11時くらいまでと、14時から16時くらいまでの2回眠る。

かくして親の日中の休憩時間が失われたのである。

 

子育てに関して、「楽しい」だとか「たいへん」だとか「おもしろい」だとか「辛い」だとか、いろいろな体験談やコラムをよく目にするが、個人的に子育ては圧倒的に「切ない」と感じることが多い。

幼子が少ない経験で何かを判断せんとする姿や、持ち得る語彙で意志を一生懸命に伝えようとする姿を見ていると切ないし、この子らはいつか大きくなって必ず親の元からいなくなるのだと考えると切ない。

子育てが切ないものだということは、子が生まれる前には誰も教えてくれなかった気がする。

 

一年ほど前、アイスの箱の裏に、棒に書いてある点数を集めて送ると、そのアイスのキャラクターである牛のラップタオル(フードがついていてウシになりきれるやつ)が当たると書いてあるので、こんなん子が牛ごっこしたらかわよいですやん、と思って応募したことがある。

総計一万人ほどに当たる懸賞だったので、まあ当たるのでは!?と期待して、いっしょに暮らしている犬のジョンと共にわくわくして待っていたものだが、一向に届く気配はなし(当選者の発表は商品の発送をもってかえさせていただきます)、どうやら外れたらしいのであった。

世の中にこんなにも牛のラップタオルを欲しがっている人間がいるものかと思って驚いた。

懲りずに今は、パンについているとバーコードを集めると応募できるアンパンマンのラップタオルに挑戦しようとしている。

アンパンマンの方が競争率が高そうだ。

 

こういうところでときどき、人間がたくさんいるな!と実感して打ちのめされることがある。

20210831 八月の終わりに日記を再開する

子が昼寝をしている間に日記を書く。

書こうとすると起きてくる。

 

毎日のように熱中症アラートが発令されている。室内の遊戯場は感染症予防のため制限が設けられていて入れない(入れても結構な密なのであまり入る気が起きない)。夕方、涼しくなったのを見計らって公園へ行ったら、親子全員蚊に刺されて腕や足をパンパンに腫れさせて帰ってきた。

術なし!

もうどうしようもないので、こどもたちの成長する力を信じることにして、家の中に引きこもっている。

家の中にいると、YouTubeばかり見てしまうのではないか、いや、私はYouTubeも過度に制限はしないタイプの親であるが、さすがに毎日毎日何時間も見せるのはまずいんじゃないか?みたいな葛藤も当初はあったが、画面を流しっぱなしにしていても、こどもは途中で飽きて勝手に積み木やブロックや絵本やお絵かきなどで自由に遊び始める、ということがわかった。

 

Appleから領収書がメールで届いたので何かと思ったらYouTubeのプレミアム会員の月額だった。広告が鬱陶しいなと思っていたところ、3ヶ月プレミアム会員無料体験がやっていたので登録をしたのだ。まんまと更新してしまった。しかし広告がないYouTubeは快適すぎて、今更元に戻れる気もしないのだった。

 

遊びに飽きた一歳児を抱きかかえ布団の上をゴロゴロ転がり、空中でグルグル回したりしたら楽しそうだった。

下ろしたら「つかれた」と言った。疲れたのは親の方だと思うのだが……。

しかし適度に疲れたのならよかったと思った。

20210208 布団の上で安らかに死にたい

先日、大学時代からの友人に、PPKすなわちピンピンコロリで死にたい、という旨を吐露したら、お前は大学生の頃からそう言っているな、と返され、私は自分の発言をよく忘れてしまうので本当に言ったかどうかはわからないが、かの友人は信頼できる人物なので、そうなのだろう。

 

私は昔から、数々のミラクルが積み重なった上でのでかいミスを犯してしまうみたいなことが5年にいっぺんくらいの頻度であり(わからないひとにはどういうことなのかさっぱりわからないだろうが、わかるひとにはわかると思う)、周りを絶句させたりする。そういう星のもとに生まれたので、布団の上で安らかに死ねるとはあんまり思っていないのである。

遺族が「え?なんでそんなことに?なにがどうなって?しかしあのひとだからそういうこともあるだろうな」という感想を抱かせるような死に方しかできないんじゃないかという気がする。

でも最近、めちゃくちゃ布団の上で安らかに死にたいのである。身内に看取られながら、眠っている間に二度と起きなくなりたいのである。

 

どうしたらいいんだろう。ハウツーがあれば教えてほしい。

20210114 はじめて歌ううた

あけましておめでとうございます。

今年もマイペースになにか思いついたら書く。

 

年末年始、特番で観たいものもなく、報道番組を挟めば感染症がどうだこうだで気が滅入りそうだったので、アマゾンプライムビデオで『孤独のグルメ』を観て過ごした。

外出を控えたため、運動不足で食欲も落ち気味だったのだが、松重豊演じる井之頭五郎がもりもり飯を食っているのを眺めていると、なんとなく箸が進むのであった。

 

で、この『孤独のグルメ』のエンディングで「五郎の12PM」っていう歌があって、

 

ゴロー♪

ゴロー♪

ゴロー♪

ゴロー♪

イ ノ ガ シ ラ♪(Foo)

 

ていう酔っ払いのおっさんが10分で作ったんか?みたいな歌詞の歌なんですが(原作者の久住昌之さんが作詞している)、当然本編を見たのと同じ回数だけ再生されるわけで、そんでもってこれがまたスルメ曲で、家事などをしながら口ずさんでいた。

 

するとある日、我が家の一歳児が「イ ノ ガ シ ラ♪」の後に「ふぅ〜」と合いの手を入れてくるようになったんである。

 

え!?あ、もうそんな、人間みたいなことするようになったの?という感動とも動揺ともつかない気持ちと同時に、子供が最初に覚えて歌う歌って、童謡とか「おかあさんといっしょ」で流れる曲なんだろうなと思っていたため、そのシュールさに膝から崩れ落ちてしまった。孤独のグルメかー、そうかー。

 

と思ったけど、これより先に合いの手を入れてくれている歌があった。

ザ・ドリフターズの「いい湯だな」である(ババンババンバンバン♪と歌うと「ばんばん」と言ってくれる)。どっちもどっちか。

 

次はなんの歌を一緒に歌おうかね。

 

 

20201209 いずれ現実になる

夢をみて目が覚めた。

子が関心のあるものに向かって、不器用に一生懸命に歩いていく背中を見ている。親は、その背中を追いかけるのだが、まったく追いつけないのである。

 

遠くない未来に現実になるんだな。

20年後か10年後か、あるいはもっと早いのかもしれない。

 

横を見るとすぐ側に子が寝ている。

一歳児はどんな夢をみるのかな。やっぱりベビーダノンをボウルいっぱいたべる夢とかかな。

20201121 エレベーターこわい

現在住んでいるマンションは、勤め先が借り上げているもので、古い。

壁紙や廊下の床の模様がレトロでいい感じなのだが、なんとなく年季が入った得体の知れなさがあって、ぞわぞわすることがある。

 

特にエレベーターがこわい。改修されて新しいものにはなっているが、不穏な雰囲気がある。上部にモニターが取り付けられていて、普段は牧歌的な音楽とともに野鳥の映像なんかが流れているのだが、管理人室の怠慢か、ときどき画面が真っ黒になっていることがあり、それがまたギャップがあってこわい。

なんでこんなにマンションがこわいのかと考えたら、なんのことはない、引っ越してきた当初にかの有名な『リング』シリーズを読んでしまい、その二作目の『らせん』で、主人公がアパートのエレベーターにて山村貞子と出会うシーンがあるのだった。

ちなみにエレベーター内がスプラッタになるなどということはなく、女性と乗り合わせ、のちにその女が貞子だと気がつくだけだ。特にアパートの廊下やエレベーターで恐ろしいことは起きない。しかし貞子に会ったらどーしよーみたいなしょうもない恐怖心が私の中に芽生えてしまっているのだ。昔から少々妄想癖があるんだな。

 

妄想癖と言えば、私は長い廊下を歩くとき、後ろから殺人鬼が追いかけてきた場合のシミュレーションをするのですが(消化器しか武器になるものがない!・鍵を開けて部屋に逃げ込むまでまで何秒かかるだろう・非常階段の鍵はかかっているのか?)、配偶者はそんなことしたこともないと言っていた。

みんなしないんですかね。

20201115 食べ物のくちになる

今週のお題「鍋」

遠方から昼ごろに帰宅して、少し休んでから買い物に出かけた。寒い場所から帰ってきたため、東京の秋空はまだ暖かく感じた。しかし、午後も四時を過ぎた頃になると、気温が下がり、風が冷たくなってきた。

 

今日の晩御飯は何にしようかと考える。昼飯は、東京駅で牛タン定食を食べたのだった。少し高値だったから、質素にしようか。

わかめとネギだけを乗せたうどんとか、野菜を茹でたやつをポン酢でとか、いいかもしれないな。

 

そのとき道ですれ違った若者が、とつぜん「今日はやっぱり鍋だよねー!」と大きな声を出したものだから、うどんもポン酢もどこかへ飛んでいって、一気に「鍋のくち」になってしまったのだった。

 

スーパーへ寄り、さてなに鍋にしようかな、と売り場を眺めたところ、「モツ鍋セット」なるものが売っていて、牛モツとキャベツとニラがいっしょにパッケージされている。今度は一気に「モツ鍋のくち」になった。長距離の移動で疲れていて、思考が面倒になっていたのである。でも追加のモツとキャベツとモヤシを買うのは忘れなかった。

 

家に帰り、鍋に湯を沸かす。モツを軽く下茹でした後に「モツ鍋セット」付属のつゆを温め、モツ、キャベツ、モヤシを敷き詰め、その上にニラを乗せた。さらに上にスライスニンニクと鷹の爪を散らす。あとは蓋をしてしばらく煮れば出来上がり。

 

米と一緒に食う。途中、舌がくどくなってきたので、炭酸水にレモン汁を足したやつを飲みながら、さらにモリモリ食う。味の染みたキャベツがいちばん美味い。〆はラーメンである。

 

食べ終わる頃には体がぽっぽとして、腕捲りをしていた。

思えば、北の牛タン、南のモツ鍋と、贅沢をしてしまった。ステイホームが続くなか、こういう日があってもいい。